搬入時におけるコンベウサギとSPFウサギの血液所見

       馬場秀明、今井信子、葛西律子、石田邦夫、八木澤 誠
                 弘前大学医学部附属動物実験施設

 今まで、当動物実験施設でのウサギの利用はほとんどがコンベショナル飼育のウサギが主流であった。最近、当動物実験施設においてもSPFウサギの利用が増加してきている。飼育状況は、まだコンベとSPFウサギが同一飼育室内に同居しているため感染症の発生が懸念されるが、現状ではまだ発生がない。しかし、ウサギの健康状態を把握しておくことは飼育技術者としての責任なので、今回は、搬入時におけるコンベウサギとSPFウサギの血液所見を報告する。

    過去5年間のウサギ購入数
 系統 平成9 平成10 平成11 平成12 平成13
  CV 159 169 96 128 152
 SPF 0 24 20 78 95

    搬入時の血液所見   (n=20
          COV      SPF     危険率     
     RBC  698.4 ±78.4    716.4 ±70.1   有意差なし
     WBC  111.8 ±35.3 80.2 ±18.1   有意差有
     PCV   44.2 ± 4.0   47.1 ±4.8     有意差有**
     Hb   14.2 ±1.5   14.6 ±1.6    有意差なし
     T.P    5.7 ± 0.4   5.5 ±0.3    有意差有***    
        *p0.0001
       **p= 0.0003
      ***p= 0.0050

 ここ数年、SPFウサギの利用が増加してきている。当施設ではコンベとSPFウサギをいっしょに飼育しているため感染症の心配はあるが、ウサギの検疫を強化し、搬入時のクリーン度を保てるように努力していきたい。
 今後、飼育室内での影響を考慮に入れ、コンベとSPFウサギの血液所見も検討していきたい。