小動物用輸送箱の検討

○馬場 秀明・今井 信子・葛西 律子・石田 邦夫・八木沢
                      (弘前大学医学部附属動物実験施設)

 弘前市では昨年4月より一般家庭の廃棄物収集が12分別になった。その主たる目的は資源ごみを再利用することである。弘前大学医学部でも市の趣旨に賛同し,昨年11月より一般廃棄物を12分別することになった。当施設でも一般廃棄物が12分別になり,小動物用輸送箱(以下輸送箱)の廃棄方法について若干の検討を加えたのでその結果を報告する。
 輸送箱を廃棄する場合はその使用されている材質によって,段ボール,金物,プラスチック,燃やせるごみの4種類に分けられる。当施設には主にAB2社の小動物が搬入されている。従来の輸送箱解体処理時間をこの2社で比較すると,A社の輸送箱はB社に比べて約2倍の解体時間を要し,年間搬入数量が約4倍のため非常に時間を要した(表)。
 そこでA社に解体の簡単な輸送箱がないか相談したら,プラスチック製の輸送箱(以下プラ箱)と解体の容易な輸送箱(以下改良型)を検討中であるとの回答を得た。改良型は解体時間が従来の約1/2B社と同程度となり,輸送中の事故率も従来品と変わらない。 
 プラ箱使用の主たる目的はプラスチックを再利用し,省資源を計るためである。しかし,再度輸送箱として利用するわけではなく,粉砕し別のプラスチック製品に再加工する。使用したプラ箱は洗浄後,運送屋を通じてブリーダーに送り返さなければならない。弘前市では資源ごみの回収を行い,プラスチック類を粉砕し再利用しているため,プラ箱を弘前市の資源ごみに出せないかブリーダーと交渉したが,ブリーダーに送り返さなければならないとの返答であった。今後省資源を進めるため,プラ箱の普及を計るのであれば,送り返す費用節約のため,現地での粉砕を考慮する必要があるのではないだろうか。

表 小動物用輸送箱解体に要する時間
 1個の解体時間年間使用数年間解体時間
A社従来箱7分600個4,200時間
B社輸送箱3分150個450時間
A社改良型3分600個1,800時間
A社プラ箱1分600個600時間