米国の動物福祉規則の変遷
- 1940年代後半 米国連邦政府が癌や心臓血管疾患などの研究のために資金を投じ始めた結果,実験動物に対する需要が増大した。そのため、不正に入手したイヌ、ネコを研究室に売りさばく動物業者が出てきた。
- 1950年代初頭 シカゴの研究機関で働いていた獣医師のグループがAALASの前身となるAnimal Care Panel(ACP)を設立し、Standards for the Care of the Dog Used in Medical Researchを作ることによりイヌの入手と管理の自主的規制を行う
- 1963年 NIHの後援のもとにACPがGuide for Care and Use of Laboratory Animals(以下Guideと略す)の第1巻作る
- 1965年 AAALAC設立(Guideに基づいた管理と使用が行われていることを外部評価)
- 1966年 ライフ誌の記事(家庭で飼育されていたイヌが研究用に売り渡されたことをスクープ)
- 1966年 実験動物福祉法 (LAWA)の制定
- 1970年 実験動物福祉法 (LAWA)が改正され動物福祉法 (AWA)となる(マウス、ラットを規制対象から除外)
- 1971年 NIHから Care and Treatment of Labratory Animal(NIHのPolicy)が出される。(IACUCの設置を要求するとともに、Guideを遵守して適正な動物実験の管理と使用を行っていることをIACUCUがNIHに保証するよう要求。Guideの中にはマウス、ラットも含まれている)
- 1976年 動物福祉法改正(動物使用数の報告を要求)
1979年 PHSのpolicy修正(PHSのpolicyに従うことを約束するAssuranceとAnnual ReportをOPRR(現在のOLAW)に提出すこととを義務化)
- 1981年 シルバースプリングサル虐待実験
- 1984年 ペンシルバニアサル頭部損傷実験
- 1985年 動物福祉法改正(動物の苦痛軽減を強調)
- 1986年 PHSのpolicy改正(PHS内の研究機関だけでなくPHS以外の研究機関にも適用され,研究機関長によって任命されたIACUCの委員を置くことを要求)
- 1987年 SCAWがIACUCの機能や構成について研究機関にアドバイスを与えていたが、その集約として“Effective Animal Care and Use Committee”をAALASから出版
- 1996年 Guideの改正(結果試行的基準(performance standards)を強調)