マイクロアイソレーションケージの使用経験
弘前大・医・動物実験施設
馬場秀明、今井信子、葛西律子、石田邦夫、八木沢誠
マイクロアイソレーションケージ(以下MIケージ)は、ケージ毎に感染防御を行いながら、ケージ環境の質の向上を計るために考えられたケージである。従来、感染防御にはラミナーフローラック、フィルターキャップなどが用いられてきた。
ラミナーフローラックは棚毎の感染防御には有効であるが、同一棚内での感染防御には効果がない。フィルターキャップは感染防御の面からは効果があるが、ケージ内環境の悪化、とくにアンモニアガスなどの上昇が見られ、これが実験に悪影饗を与えるとされている。MIケージはこれらの欠点を補うために開発されたケージである。その特徴は、ケージ毎に約50〜60回/時給気され、排気はケージ側面から飼育室内にされる。
自動給水はエデストロム社の給水バルブに、ステンレス製ドリップカップを併用している。ドリップカップは飲みこぽし、バルブからの漏水などをケージ外へ導くために開発された装置である。
私どもはこの装置をTg動物に使用しているので、これまでの使用経験を報告する。