ペン型イヌケージを用いてブタの飼育経験について


○福士 和男、馬場 秀明、石田 邦夫、今井 信子、葛西 律子、八木澤 誠
(弘前大学医学部附属動物実験施設)   

目的

 当施設で昨年11月よりブタの飼育が始まったが、以前ブタの飼育では木製の柵を作成し使用していた。しかし、汚物の処理、床敷の交換、給餌、給水、柵の補修等、飼育管理の手間がかかりすぎるため、イヌ飼育室の改修に伴い、ステンレス製ペン型イヌケージが不要になったので、余ったケージをブタの飼育に利用できるかどうか検討した。

ケージの改造
  1. 給餌、給水はイヌ用の容器だと小さいため取り外し、ステンレス製の容器をケージの中に動かないように固定した。

  2. スノコの下に補強材をいれた。

  3. 排水管を太くし、詰まらないようにした。
結果
  1. 飼育管理の作業は、短時間で終了することが可能になった。

  2. 2頭を同一ケージに収容すると、エサの取り合いになるため、一頭毎の飼育にした。

  3. 当初、給餌、給水はステンレス製容器を用いたが、カラになると、枠ごと持ち上げ遊んでいた。

  4. 実験用ブタでなく、肥育用ブタを購入、飼育しているため、成長が早くスノコが重さでたわんだ。

  5. 給水用ステンレス製容器では、水がこぼれてしまうので、イヌ用自動給水ノズルを設置した。
結論

 ステンレス製ベン型ケージでのブタの飼育は、給餌、給水の点でイヌと違い、試行錯誤を繰り返したが、ようやく良好な方法がみつかった。今後は、自動給水とともに自動給餌装置の設置を検討したい。また、作業量は、イヌの飼育管理とほぼ同等か、若干多めではあるが、以前よりは改善された。さらにイヌの飼育管理とともに、ブタの飼育管理の質を高めていきたい。