![]() 種痘するジェンナー |
イギリスの医師ジェンナー(E. Jenner)は,産業革命進行中の1749年イギリスに生まれた。 |
以前から,牛にも人の天然痘によく似た病気があり牛痘と
呼ばれていたが,乳搾りをする人に牛痘が感染し手や腕に
水痘ができることがあった。 彼の故郷では“この病気に1度かかると2度はかからないし, その上,天然痘にもかかりにくい”という言い伝えがあった。 ジェンナーはこれを確認するために,人体実験を行った。 まず,牛痘にかかった婦人の手の水疱から液をとり,それを 8歳の少年の腕に接種して症状の軽い牛痘を発症させ, 2ヶ月後に今度はその少年にヒトの天然痘を接種した。 実験は見事に成功し,少年はヒト天然痘にかからずに済んだ。 これが人類初のワクチンの発見である。 それから約200年後の1980年に天然痘はこの世から根絶された。 |
このジェンナーの種痘に対し、激しい反対があった。 たとえば、 「人間の血流の中にけものの物質を注入することは、 胸がむかむかするぐらいけがらわしい」 「正常な自然の進行にあつかましくも干渉することで、 神の摂理への不信を意味する」・・・・
ワクチンという言葉はパスツールがジェンナーの業績を記念してラテン語の雌牛を意味するvacaから付けた名前 |