U of Chicago USDA annual report


  1. 背景

     シカゴ大学は1891年にJohn D. Rockefellerによって創設された。ここ100年にわたってシカゴ大学は学部学生に対する一般教養の組織的プログラムの展開を含む多くの教育革新を率先して実行してきた。例えば4期制の導入、医学部での専門的な教育など。シカゴ大学は教師の教師としての評判を相変らず国民から受けており、学部学生に人道的なカリキュラムを行うモデル校としての役割を果たしている。本学は一貫してこの国の重要な立場にあり、ノーベル賞に輝いた50人以上の人が本学と関係がある。革新の精神は基礎的科学から臨床医学にまで及んでいる。
     Biological Science Division(生物科学部:BSD)は1930年に大学管理部を再編成する際に創設された。医学部は一人の学部長の権限のもとBSDの中に吸収された。BSD内への医学部の統合は基礎科学と医学における研究者の間で相互協力の形を生み出し、他に比類ないものとなった。
     現在BSDはgraduate training を与えるために17の講座と4つの主要な研究所、12の専門的研究センター12の学際的な委員会を含んでいる。シカゴ大学での動物実験の殆どはBSD内にて行われる。研究内容は多種多様で生化学や分子生物学から生態学や進化学まで、植物生物学から臨床精神医学まで、古生物学から人類遺伝学までといったものにまで及ぶ。BSD内で行われている研究の殆どで動物が使用される。
     シカゴ大学では1892年に研究所が設立されて以来動物の管理と使用に関して豊かな歴史がある。過去何十年にわたって大学の研究者と獣医師は実験動物学の発展に貢献してきた。1945年から1969年まで動物施設の管理者であったDr. Nathanは動物施設を中央化する計画の最初の獣医師の責任者であった。彼は動物実験反対論者と戦い、あるときには動物の管理計画を獣医師に引き渡すことを不服とする研究者とも戦った。彼は実験動物学の創設の父でもあり、AALASの初代会長であった。1960年になるとシカゴ大学で最初に中央化された施設であるCarlson Animal Research Facility(CARF)がオープンした。

     このような輝かしい歴史にも関わらず、その後動物の資源計画は沈滞した。1970年代の後半に施設はそれぞれに異なった維持方法を求める研究者らの要請により反中央化へと方針を転向した。1980年まで45以上の非中央化動物施設がキャンパス内に存在することとなった。CARFには2〜3人の獣医師しかおらず、交代で勤務していた。
     1980年の初めから1990年にわたってOffice of Animal Care(OAC)と呼ばれる再編成の計画が打ち立てられ、再び動物施設を中央化する方針が取られた。キャンパスに散在する個々の動物施設の殆どが閉鎖され、残った施設は近代化され、OACの管理下におかれた。獣医学的な管理および研究者の援助さらにはOAC計画を確実なものとするために新たに獣医師が採用された。IACUCが開かれ、学部に関係する動物使用グループが作られた。実験動物を診断する実験室が設置され、獣医病理学者がそのスタッフに加わった。新たに最新の設備をもつ手術室と管理事務室が作られた。新たに齧歯類のバリヤーが2つ作られ、今でも順調に機能している。1985年1988年そして1989年の3回にわたり施設改善のためのグラントが総額1億5千7百万円つき、動物施設の改修が行われ、新しい装置を購入した。主な改良は動物の飼育室および施設の状態を良くするために行われた。

     生物医学にとってAnimal Resource Program(動物資源計画)が重要性であることを理解してもらうために1990年にシカゴ大学のARCにOACが再編成された。さらに学際的な面を強化するため比較医学・病理委員会(Committee on Comparative Medicine and Pathology(CCMP)が設立され、施設の獣医師が研究できる環境を整備し、臨床サービス部門、研究教育部門その他の学究的な仕事をしている個々人に対し昇進に必要なキャリアーを積めるような配慮がなされた。ごく最近、幾つかの重要なポジションが作られ、またこれまで空席であったポジションに人が配置された。その中にはDirectorの採用、Operations Manager, 飼育部門のAssistant Manager、2名の臨床獣医師、それに新しくできた二つの齧歯類のバリヤー施設を監督する1名の管理者がある。動物資源計画のために研究機関はここ10年以上にわたって資本の投資を行い、運営のための資金援助も明らかに増加した。

  2. 動物資源計画の実行

    a. 概要

     シカゴ大学の動物資源計画はIACUCとの共同でARCが推進している。付録3にその機構図をあげた。ARCはBSD内にあるがキャンパスで使用する全ての実験動物に対して責任を負っている。六つの中央化された動物施設内にいる動物(キャンパス全体の98%にあたる)に対しては直接に管理し、研究者自体が管理している場所の動物(全体の5%にあたる)に対しては間接的に監視することにより管理している。中央化した施設には以下のものが含まれる。Carlson Animal Research Facility(CARF), Wyler, Cummings, SBRP, BSLCそしてFMIの6つである。

     1990年にCCMPが作られ高度な獣医学的管理を行えるように獣医師が雇われた。CCMPは一人の長により統括され、その長の責任には実験者に対する動物実験の訓練や教育が含まれる。ARCの獣医師はCCMP内部あるいはBSD内においてアカデミックな任務を持っている。CCMPは医学や麻酔学、救急医療といったBSD内の他の講座の専門家と一緒になって内部訓練を行う機関である。CCMPの任務には学内の研究者に対する動物実験の教育、訓練があり、その教育訓練はCCMP独自のあるいは他の学部と共同した研究においても行われる。このような相互の協力は人の臨床医学と動物の臨床医学の両方に橋をかけ、実験に供される動物に質的に高度な技術を適用することを助長する。

     ARCの長には年間に2回の報告書提出の義務がある。ARCの予算や運営に関してBSDの副学部長を通し、学部長に報告書を提出し、動物の福祉に関すること(科学的、倫理的取り扱いに関する事柄)についてはCCMPの長に報告する。

    b. 動物施設(ARC)

     ARCは5部門からなっている。飼育部門(Operations Section)臨床サービス部門(Clinical Service Section)法的適合性および教育部門(Compliance and Training Section)事務部門(Administration)、そして病理サービス部門(Pathology Service Section)の5つである。ARCは一人の長により統括され、その長を5部門のチーフが援助する。飼育部門、臨床サービス部門および病理サービス部門の機能と責任についてはAnimal Care and Healthの項で述べる。

     法的適合性および訓練部門(Compliance and Training Section)はARC,大学,IACUC,USDA,NIHその他の機関が定めた法律、規則に適合しているかを検討する部門である。適合しているか否かは施設の査察等を通して評価される。実験者に対する訓練はこの部門のもう一つの重要な活動である。研究者や動物を飼育している施設職員に対する訓練のプログラムはこの部門が直轄して行っている。

     事務部門(Administration)は動物や機材の注文、動物を購入あるいは動物の飼育費の請求を行っており、コンピュータネットワークの操作、予算、給与の支払等を行っている。この部門ではコンピュータ化された動物施設の管理システムをローカルエリアネットワーク上で維持している。このシステムはARCはもとよりIACUCの活動に対しても貢献している。このシステムは動物の注文、実験計画書、動物飼育料金の請求、その他の請求をも網羅している。このシステムはARCの治療や診断の活動をもサポートしている。動物の健康記録、診断結果、齧歯類の繁殖記録等にも使用されている。

    c. IACUC(動物実験委員会)

     当大学のARP(動物資源計画)はIACUCによって監督されている。BSDの学部長と大学の学部長の指名による委員会は試験、研究、教育において使用される脊椎動物の使用と管理に関する米国政府の原則あるいはPHSの指針、USDAの法律、大学の指針そしてNIHのガイドに含まれる原則を守ることを委任されている。IACUCは当大学で行われる脊椎動物を用いた全ての実験に対してその計画書を審査し、承認する責任がある。そして年間に2回、大学の動物が使用され、飼育されている全施設の査察をし、施設が規則に準拠して運営されていることを評価しなくてはならない。IACUCの方針と手順書は付録の4に添付している。IACUCはPHSの方針に定義されているように研究機関の審判員であるBSDの学部長に報告する。

     委員会は17人の委員からなり、各学部から選出された二人の代表者と大学とは関係のない素人を一人含む必要がある。その構成は次のようである。

    1. Richard Kraig, PhD, MD, Chair, Assoc Prof, Dept of Neurology
    2. Peggy Mason, PhD, Vice Chair, Asst Prof, Dep of Phamacological and Physiological Sciences
    3. John Alverdy, MD, Assoc Prof, Dept of Surgery
    4. Michael Blanco, DVM, Asst Prof CCMP, Chief Veterinary Services, ARC
    5. Chareles Burant, MD, PhD, Asst Prof, Dept of Medicine
    6. Robert Erickson, MD, Asst Prof, Dept of Surgery
    7. Martin Feder, PhD, Prof, Dept of Organismal Biology and Anatomy
    8. Frank Fitch, MD, PhD, Prof, Dept of Pathology, Dir Ben May Institute
    9. Rev David Granger, (non-institutional member)
    10. William Meadow, MD, Assoc Prof, Dept of Pediatrics
    11. Phil Padrid, DVM, Asst Prof, CCMP
    12. Jacob Rotmentsch, MD, Assoc Prof, Dept of Obstetrics and Gynecology
    13. Steve Seps, DVM, Asst Prof, CCMP, Chief Compliance and Training , ARC
    14. Mary Ellen Sheridan, PhD, Asst, VP for Reasearch, Dir University Research Administration
    15. Celeste Simon, PhD, Asst, Prof Dept of Med and Molecular Genetics andCellular Biology
    16. Cindy Paulsen, Assoc Dir Regulatory Compliance(ex-officio)
    17. Neil Lipman, VMD, Assoc Prof, CCMP, Dir ARC(ex-offcico)

     IACUCは少なくとも月に一度は会合を持ち、本学で行われる生きたあるいは死んでいる動物を用いた実験、研究、教育について審議する。

     実験計画書の審査は2段階にわかれる。予備審査はIACUCの一人の委員と一人のARCの獣医師により行われ、委員会での審査の前に問題点、疑問点について明らかにしておく。獣医師は委員会にかけられる前に研究者に対して必要なアドバイスをしばしば行う。

     委員会の審査は全体もしくは小委員会において行われる。全体での審査は研究責任者が本研究機関で初めて研究を行う場合であり、また、霊長類や犬、ねこを使用する場合、さらに動物を拘束する時間が長い場合、重篤な病気(自然、実験的)をもつ動物を使う場合、USDAが指定した動物を含む場合、侵襲がある場合、USDAのcategory Eの痛みがある場合、教育講義に生きた脊椎動物を使用する場合、生存実験1993年にAVMA のPanel on Euthanasia reportの推奨するものと異なる安楽死法の場合などである。審査の結果委員会は承認、条件付き承認、承認延期、非承認を決定する。全体の委員会で審査する必要のない実験計画書でも予備審査の後、小委員会にかけられる。小委員会にかけられることになる計画書のリストはIACUCのメンバーに配付される。もし、メンバーが全体委員会かける必要性を認めないときには、その計画書は一人の委員に配付され審査の前に実験内容を変更するようアドバイスをうける。小委員会開催中に問題が指摘された場合には研究者に説明をもとめ、その後IACUCの委員長により最終判断が下される。小委員会開催中はいかなる時でも全体委員会を開催することを要求できる。IACUCの審査のほかに研究費を外部より受けていない研究の場合には科学的に適正であるか否かの審査を受けていないために、IACUCに計画書を提出する前に各学部の動物研究委員会(Animal Research Committee) に計画書を提出しなければならない。動物を用いた授業や実技を計画する場合にはDivisional Committee on the Use of Animals in Teaching and Training の承認も必要である。その年に提出された全ての計画書は保存される。実験計画は3年毎に更新される。

     IACUCはAnimal Resources Programの計画についても1年間に2度計画を審査し、指導している。そして動物が飼育されている場所や生存手術が行われる場所を査察する。査察は獣医師を含むIACUCの少なくとも3人の委員により行われ、その評価はNIH GuideとUSDA の基準を基にしてなされる。評価の記録は審査のためにIACUCに提出され、BSDの学部長に提出される最終報告書となる。問題となるところはIACUCが指定した期日内に改善されなければならない。

  3. Animal Care and Health Program

    a. 飼育管理

     飼育部門は中央動物実験施設に飼育されている動物を適正に管理する責任がある。

     動物は施設の25.5人の飼育専門スタッフによって管理され、その人々を3人の責任者とAssistant Facility Manager およびOperations Managerによって監督されている。その他5人のスタッフが保管業務(倉庫番)、装置の維持および修理、supply の業務を行っている。動物飼育スタッフに対する現行の強制的な教育プログラムは最近行われたものであるが、それはAALASのAnimal Technician Certification Programに基づき、管理部門と獣医師により行われている。セミナーと週毎のスタッフ打ち合わせで職員の配置や動物の健康、管理上の問題点などについて申し送る。さらに飼育スタッフはARCにいる動物の管理のほかに動物の異常を発見するためにアニマルテクニッシャンや獣医師と同様毎日の見回りを行っている。洗練された動物の取り扱いと衛生的な方法で飼育管理が行われている。

     飼育職員は動物の健康をモニタリングするシステムの上でも重要な役割を演じている。飼育スタッフは動物あるいはコロニーの健康状態について臨床スタッフに報告し、また、動物の1室あたりの飼育数がNIHの基準を越えそうなときにはそれを確認し報告する。コロニーの健康状態が悪くなったときや実験計画書から逸脱した実験が行われている場合には、例えば各飼育室のドアーに病的状態、致死数、過剰飼育数といたような適切な情報を記録することにより監視している(付録の7)。動物の健康に緊急を要する事態が生じた場合にはポケットベルによって全獣医師飼育管理者、責任者に連絡され処置が施されるシステムとなっている。

    b. 動物の健康

     ARCの臨床サービス部門 Clinical Service Section(CSS)は本学で実験に使用される全ての動物に対して獣医学的な処置を行う責任がある。CSSには大学の生物医学研究委員会の支援のもと3.25人の獣医師と資格を持った4.5人のanimal health technicianが当たっている。臨床サービス部門の責任には次のものが含まれる。

     1)動物の健康チェック、2)治療、3)処方せん、4)検疫の一環としての臨床検査、血液サンプルの採取、ワクチンの投与(齧歯類以外)、5)齧歯類のモニタリングの監督、6)全ての動物およびコロニーの健康管理記録の保管、7)麻酔の監督、8)術前、術中、術後のケアー、9)実験補助、例えば実験の観察、薬物投与、材料採取、研究スタッフへの直接指導などをすることにより、10)抗体を産製させるサービス。

     臨床サービス部門によって行われる業務は年間に約2000にものぼる。

     臨床サービス部門はCARFにある診療室および手術室(750m2)を管理している。USDAが指定している動物種を用いて生存手術実験を行う場合には中央施設で行わなければならない。

     この手術室には迅速組織血液ガス測定装置や血清の生化学的検査を行える装置、血液検査を行える装置が設備されており、酸素、吸引、圧縮空気などの医療ガスが設備されている。臓器移植のためには2台の手術台と無影灯があり、主としてウイルスベクターを用いた組み替えDNA実験のためにクラスIIの安全キャビネットがある。

     中央手術室は7種類の動物種を用いて37の研究グループが使用している。年間に約1,075の実験が行われそこで用いられたサルは150匹、犬125匹、豚355匹、ウサギ270匹、齧歯類500匹である。実験の種類は猿では蜘膜下出血や血管痙攣、すい臓移植の研究、PETスキャンを用いた薬物動態の研究などであり、犬では動脈瘤、ウサギでは動脈の閉塞やAVシャントの作製、異種心臓移植である。

    c. 齧歯類のバリヤー施設の健康管理計画

     ARCはSPFマウスを維持するためにCARF,FMI,Wyler,BSLCそしてCummingsにある5つの特種施設を管理している。モニタリングはELISAや細菌培養、寄生虫検査により2か月に1回行われ、経時的に病理組織的検査も行われる。検査結果は年に2回研究者に報告される。現在、FMI, CummingsそしてWylerのSPF施設には9,000匹のマウスが飼育されており、38名の研究者が利用している。最近開設したBSLCとCARFのSPF施設にはさらに16,000匹のマウスを収容する能力がある。

    d. 診断室および実験室

     この部門はARCの中にあり面積は1,800m2で、病理サービス部門により管理されている。施設で飼育していた動物が実験処置以外で死亡した場合の全てを病理解剖し、その死因を究明する。そのため、ここには獣医比較病理学者をはじめ多くの検査技師がおり診断装置も十分に設備されている。

  4. ARCについて

     ARCは6施設と1実験室を管理している。これらの施設と管理事務室を合わせると約10,000m2の大きさである。各施設は研究者が利用しやすいように病院内に散在している。各施設の位置は図に示す。各施設の特徴を以下に示す。

    1. ARC/CCMP Administrative OfficeとJ. H. Rust Comparative Diagnostic Laboratory(910m2)はCARFの真上にあり病院の1階にある。

    2. CARF(6,700m2)は地下一階と二階からなり、それぞれ3,200m2あり、また1階には動物および機器、飼育資材を受け入れるための300m2の受け入れ室がある。受け入れ室には多の施設に通じるエレベーターがある。CARFは大学で最も大きい動物施設であり、ARCの診療部門や動物の管理部門の中心である。CARFには一日に3,700を越える動物が収容されており、一日に約100名の研究者が利用している。動物飼育室の他に洗浄室、獣医診療室、ARCが管理する中央手術室、動物病理室、その他多くの実験室がある。ここにはサル、イヌ、ネコ、家畜、ウサギ、ニワトリ、両生類、齧歯類など各種の動物が飼育されている。何度か改修され、1995年秋には1,500Fを改修した。地下一階にはARCの診療室、手術室、X線室、剖検室、シャワー室、ロッカー、イヌや家畜のための24の檻を持つ3つの飼育室、6つの飼育室を持つ感染実験室、さらに6つの飼育室と10の実験室を持つ。さらに手術部門のスタッフのための事務室がある。地下一階はシングル廊下方式である。地下二階はクリーン、ダーティー方式の廊下である。この階にはCARFだけでなくCummingsやBSLC, SBRPへもケージを供給している洗浄室、8つの飼育室と2つのトランスジェニック実験室を持つSPF区域、スタッフ専用のロッカーシャワールームなどがある。

    3. FMI(820m2)はFranklin McLean Memorial Research Instituteの6階にある。フロアー全体を1989年に改修しており、癌センターやSPF動物の飼育を望む研究者の要請に答えこの大学で最初にバリアー施設を作った。施設はクリーン、ダーティー方式の概念を導入し、二重廊下方式で設計され運営されている。ここには9つの飼育室があり、それぞれに3つのイリノイ式キュービクルを持つている。休憩室、更衣室、シャワー室、事務室、ケージウオッシャー、ラックウオッシャー、オートクレーブをもつ洗浄室がある。

    4. Wyler齧歯類バリヤー施設(570m2)はWyler Children Hospitalの6階にあり、SPFマウスを維持している。一本廊下方式の施設は1987年に改修され、8室の飼育室とケージウオッシャー、オートクレーブを持つ洗浄室、休憩室、事務室、倉庫からなる。

    5. SBRP動物研究施設(250m2)はSurgery Brain Research Pavilionの1階にある。この施設は実験薬理の研究に使われるげっし類のために作られた。SBRPには齧歯類の行動を観察するための3つの特殊な実験室、電気装置の記録室、齧歯類の手術室、飼育室4室がある。SBRPにはCARFの受け入れ室と直接繋がっており、ケージや飼育器具の出し入れを行っている。

    6. Cummings動物研究室(280m2)は通りを隔てたCummings Life Scinces Centerの10階にあるが、Medical Center と地下のトンネルで繋がっている。施設は1本廊下方式であり、感染している可能性のある齧歯類を飼育しており、キャンパス内の他齧歯類に感染を広げないように配慮が配慮が払われている。Cummingsには現在齧歯類のウイルスやヘルペスシンプレックスで実験的に汚染しているマウス、他の研究機関から得た齧歯類の検疫のために使われている。ここには6つの飼育室と倉庫、事務室兼休憩室がある。

    7. BSLC動物研究施設(250m2)はBiological Sciences Learning Centerにある。BSLCは1995年5月に開設されたキャンパスでも最も新しい施設である。SPF齧歯類を維持するために設計され、運営されている。ここには9つの飼育室と、Tgマウス、Knock-outマウスを作るための実験室が1つある。

       ARCのスタッフはこの他に4施設を監督している。現在の所それぞれの施設に於ける飼育の責任はないが、スタッフの獣医師が1か月に1度あるいは2度施設を訪問し、獣医学的措置を講じている。これらの施設で使用される動物は全てARCを通して購入される。モニタリング等の検査はARCの実験室で行われる。これらの施設の内Allee LaboratoriesとHull Court Westの二つは1996年中に改修され、ARCによって管理されることとなる。Kelley Beecher GreenはAllee Laboratoriesの拡張に伴い閉鎖され、Sleep Laboratoryはこの2〜3年の内にSBRP内に統合されることとなる。

  5. 動物室の一般的な構造



  6. ARCのスタッフ

     Animal Resource ProgramはIACUCの監督のもとにARCのスタッフにより実行されている。ARCには58名のスタッフがおり、その内獣医師5.55人、senior operation management2名、animal health technician 4.5名、事務官1名、動物飼育責任者3名、動物飼育専門家 25.5名、medical technologist 4.5名、修理工場3名、受け取り、倉庫番2名、管理室補助2名、事務補助6名。

     Senior ARCスタッフにはDirectorのNeil Lipman, Clinical ServiceのチーフMichael Blanco, Compliance and TrainingのチーフSteve Seps、OperationのチーフJames Boardman、Excective Administrator Paul Breider、臨床獣医師Jeffrey Lohmiller、臨床獣医師Craig WardripそしてAssitant Manager OperationsのRegina Herronである。さらに獣医インターンのPhilip PadridがARCにおいて25%仕事をしている。獣医病理学者Ralph Bunteが0.3人分の仕事をしており、現在比較病理学者を1名募集している。