大型ウサギの実験動物化


秋田大学バイオサイエンス教育・研究センター動物実験部門 松田幸久




世界的な動物愛護運動の興隆


動物管理センターからのイヌ払い下げ廃止

イヌに代る代替動物としての大型ウサギの開発



米国のFlemish Giant
  • 呼吸器感染症保有
  • Flemish Giantの遺伝子


  • 既に確立した技術
    受精卵操作技術


    秋田の大型ウサギ
  • 近交退化進行 
  • 秋田大型ウサギの遺伝子
  • 実験動物としての大型ウサギの確立

     欧米では動物愛護運動の興隆によりイヌおよびネコを動物実験に使用することが困難となっております。わが国でも動物管理センター由来のイヌおよびネコの動物実験への払い下げが制限されつつあります。そのような状況を考慮し当施設では県内において肉用に生産されている日本白色秋田改良種(日本で唯一の大型ウサギ)に着目し、この大型ウサギをイヌおよびネコに代る代替動物として実験動物化を試みています。

     この大型ウサギは微生物学的に統御されていないことから、安定的に供給することが困難であり、また一地域において100年近くにわたって飼育されてきたことから、近親交配による小型化や繁殖障害も進行しています。

     そのため、胚操作技術および遺伝子操作技術を用いてこの大型ウサギに外国産の大型ウサギ(フレミッシュジャイアント等)の遺伝子を導入し、すぐれた実験用大型ウサギを開発することを計画しております。