Water and Food Restriction for Scientific Purposes
(Home Office Guidance Note)
実験のための給餌・給水制限
要約
従来行われている給餌・給水制限はできれば他の方法(例えば、褒美をあげる方法)に代える方がよい。
一般的に、実験のために給餌・給水制限を行う場合、目的を達成するために最小限の時間にすべきである。
プロジェクトライセンス保持者は、以下のような実験の場合には、cost&benefitを明らかにすることが要求される。
給餌制限を受けていない同年齢、同性の対照群に比べ、体重が15%以上も増加あるいは減少するような実験。
自由に餌を摂取している同年齢、同性の対照群に比べ、体重が85%以下になるような実験。
このガイドは単に家畜の飼料を研究するための給餌制限には適用されない。それに関しては別のガイドがある。
水は常に摂取できるようにしておくべきである。
認られている飼育方法において絶水を行う場合には、とくに制限を受けない。
絶水を必要とする実験で、絶水することにより動物が苦痛を生じる場合には、科学的実験法1986(ASPA)を遵守すべきである。
指針
給餌制限に関する現行の法律では、プロジェクトライセンス保持者に対して以下示す絶食時間を越えないように要求している。
マウス、若いハムスター、そして100g以下のラットでは16時間
ウサギ、ラット、イヌ、ネコ、100g以下の霊長類では24時間
成長した反芻獣や家畜(ニワトリや七面鳥)については以下の註1を参照
注1
他の動物福祉に関する規則に違反するような給餌・給水制限をする実験はASPAに従うことによりカバーされているとホームオフィスは考える。
注2
モルモット、フェレット、トガリネズミでは給餌制限を行うべきではない。
注3
絶水・絶食時に他の要因(高タンパクの給餌、病気など)があるとき、そして絶水・絶食により苦痛を感じるようなら絶水・絶食の時間を短くする。
注4
もし日常的に絶水・絶食を行うのであれば、当局は上述したよりも短い時間の絶食を要求しなければならない。
給水制限をするライセンス保持者は以下の記録をとらなければならない。
毎日の摂水、摂餌量と体重
外科的処置の回数
感染や治療の回数
実験期間と動物の将来の使用予定
加えられる全ての処置
獣医師により特に禁止されていない場合、あるいは科学的に行ってはならないという根拠がない場合には、麻酔を必要とする処置の少なくとも24時間前には自由に水を摂取できる状態に戻し、また処置を終えた後少なくとも48時間は自由に水を摂取できるようにしておくべきである。
次の場合には、水を与える量を多くしなければならない。
脱水症状が認められるとき
病気の治療をしているとき
体重の減少が認められるとき
動物が若かったり、成長すべきときに適切に体重が増加しないとき
他の何かの不都合により獣医師が支障があると考えるとき
訳 松田幸久
倫理的動物実験