腎症候性出血熱(hemorrhagic fever with renal syndrome : HFRS)
- 日本では1970年から1984年にかけて医科系大学の動物実験施設21ケ所で計127名
が感染し、1人の死亡者がでて大きな問題になりました。同様の実験室感染は韓国、ベルギー、フ
ランス、英国などでも起きています。
- ウイルスの宿主は韓国出血熱ではセスジネズミ、北欧の流行性腎症ではヤチネ
ズミ、実験室感染では実験用ラットです。ウイルスはネズミで病気を起こさず、
尿の中に排泄されます。このウイルスに汚染したエアロゾルを吸い込むことで人
が感染します。
- 本ウイルスによる病気は高熱、出血、腎障害を特徴としており、WHOの会議(
1982)で腎症候性出血熱(Hemorrhagic fever with renal syndrome: HFRS)
と名付けられました。
有川二郎 げっ歯類の媒介性人獣共通感染症としてのハンタウイルス感染症対策
ウイルス 第53巻1号(2003年6月)より
研究代表者 川俣順一
動物実験における流行性出血熱(EHF)発生の予防と制圧に関する研究
昭和58年度科学研究費補助金(総合研究A)研究報告書