野兎病(Tularemia)

  1. 病原体

    • Francisella属菌のFransisella tularensis(グラム陰性好気性球桿菌、芽胞形成)
      • F. tularensis biovar tularensis(北米に限局)
      • F. tularensis biovar palaearctica(アジアでみられるもの)・・・病原性低い

    • 56℃10分の加熱により死滅消毒薬としては70%エタノール、0.05%塩化ベンザルコニウムなどが有効


  2. 病原体保有動物とヒトへの感染経路

    • ウサギ、リス、ネズミ、シカ、ウシなどの哺乳類、鳥類、両生類、魚類
    • 感染動物(特にノウサギ)からの感染(剥皮、調理、食肉)
    • マダニ、アブによる媒介
    • 東北や関東地方で認められたが、近年の発生は少ない

  3. ヒトでの症状

    • 頭痛、倦怠感、関節痛、リンパ節腫脹など
    • 潰瘍型、眼リンパ型、鼻扁桃リンパ型、肺炎型がある

  4. 動物の症状

    • 動物は肝臓、脾臓、リンパ節の腫大、壊死

  5. 診断

    • 抗体の凝集試験、蛍光抗体法、間接赤血球凝集反応
    • 菌の分離

  6. 予防

    • 媒介節足動物の駆除

  7. ヒトの治療

    • ストレプトマイシン、テトラサイクリン、ゲンタマイシン投与
    • ペニシリン、セファロスポリンは無効
back