非チフス性サルモネラ症(nontyphoid salmonellosis)

  1. 病原体

    • グラム陰性の桿菌
        サルモネラは菌体(O)抗原と鞭毛(H)抗原の組み合わせにより約2,500種もの血清型に区分される。
        • Salmonella Pullorum
        • Salmonella Typhmurium
        • Salmonella Enteritidis

  2. 病原体保有動物とヒトへの感染経路

    • 保菌ペット(イヌ、ネコ、ミドリガメ)
    • 汚染鶏卵からの経口感染

  3. ヒトの症状

    • 潜伏期は12〜72時間
    • 発熱または腹痛を伴い急激に発症
    • 悪心、嘔吐、下痢などが主症状

  4. 動物の症状

    • 主に腸炎、敗血症、流産
    • 時に肺炎、関節炎、髄膜炎、乳房炎など
    • 幼雛では灰白色下利便を呈し、多くは2週齢頃までに死亡
    • 成鶏では不顕性感染、まれに産卵低下

  5. 発生状況

    • 日本におけるサルモネラ感染症の多くは、サルモネラ・エンテリティディスに汚染された食品による食中毒で、2003年〜2005年の間4〜6千人前後の患者数が報告されている。
    • 2005年に千葉県の同一医療機関でサルモネラに起因する小児重症感染症が2症例報告され、1症例はミドリガメ(ミシシッピーアカミミガメ)との因果関係が強く疑われ、また他症例ではミドリガメが感染源である事が確認されている。また、2004年にはイグアナが強く疑われた症例も報告されている。

  6. 予防治療法

    • ヒトの場合

      • 抗生物質を投与
      • 肉類や卵製品を含む食品は十分に加熱調理
      • ペットのミドリガメにさわらない。さわったら手を洗う。

    • 動物の場合

      • 抗生物質を投与
      • 隔離、淘汰
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