• 多包条虫感染病(Echinococciasis multilocularis

    1. 病原体

      • テニア科、包条虫属、多包条虫(Echinococcus multilocularis
      • 多包条虫の虫卵は乾燥や高温には弱いと考えれれる
      • しかし、好適条件下では数年にわたって感染性を保有する場合もある

    2. 病原体保有動物とヒトへの感染経路

      • 宿主はイヌ、キツネ、オオカミ、ネコであり、中間宿主はハタネズミ、ハチネズミ、ハツカネズミブタ、ヒトである。
      • ラットは一般に抵抗性があると考えられているが、野生のラット(ドブネズミに多包虫の感染が認められている)
      • 北海道で流行

    3. 人の症状

      • 幼虫である多包虫が中間宿主であるヒトの腫瘍臓器に寄生し、病害を与える(多包虫症)
      • 肝臓に寄生すると包虫が大きくなるにつて肝腫が著名になり、肝部の疼痛、肝機能障害、腹水。黄疸をみとめる
      • 脳に包虫ができると、様々な神経症状
      • 肺に包虫ができると、気管支炎や胸膜炎の症状を呈し、血痰を見る

    4. 動物の症状

      • 少数の寄生では無症状
      • 多数寄生ではカタル性腸炎による下痢
      • 中間宿主の場合には、幼虫である包虫が主要臓器に寄生し、病害を与える。

    5. 診断

      • 終宿主については糞便検査によって片節または虫卵を検出
      • ヒトの場合:免疫学的検査法()ELISA、免疫電気泳動法で診断するか、超音波法で診断
      • PCR、HIテスト

    6. 予防

      • 流行地では、イヌ、キツネに接触しない(触ったら良くてお洗う)
      • 川の水、山菜もキツネの糞便に汚染されていることもあり注意

    7. 治療

      • ヒト:外科的摘出術

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