ライム病(lyme disease)

  1. 病原体

    • スピロヘータ科(Spirochaetaceae), Borrelia属(グラム陰性好気性、螺旋状形態)
    • ヒトに病原性ある菌種は
      • B. recurrentis(回帰熱ボレリア 中央アフリカ、南米でみられる)
      • B. burgdorferi(ライム病ボレリア)
      • B. duttonii
      • B. vincentii

    • 一般の消毒薬に感受性
    • 乾燥に弱い

  2. 病原体保有動物とヒトへの感染経路

    • ヒトを含む広範囲の動物
    • B. burgdorferiはシカやネズミが保菌宿主(reservoir)となり、 これを吸血するマダニがヒトを吸血する際、本菌が伝播される
    • 1975年米国コネチカット州Lyme地方で発見された病原体

  3. 人の症状

    • 初期:ダニ咬傷部の慢性遊走性紅斑、インフルエンザ症状(発熱、悪寒、関節痛)
    • 数週後:髄膜炎、神経諸症状
    • 数年後:慢性関節炎

    動物の症状

    • 神経諸症状

  4. 診断

    • 患部からの菌分離(暗視野顕微鏡)、PCR
    • 患者血清を用いたELISA

  5. 予防

    • マダニの生息地域に入らない(入る場合には帽子、長袖シャツ、長ズボン着用)
    • ワクチンも開発され欧米では使用されている

  6. 治療

    • ヒト:各種抗生物質が有効
    • ペニシリン、テトラサイクリンがよく使用されている。

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