キャプシッドの形態による分類
a) 裸の正二十面体キャプシッド
Picornaviridae
adenoviridae
papovaviridae
一部のbacteriophageなど
正二十面体のキャプシドが核酸から成る芯coreを包み込んでヌクレオキャプシドを形成している。
キャプシドは形態的単位であるキャプソメアが立方的対称に配列することによって成り立っている。
b) 裸のらせん型キャプシッド
あるキャプシッドは長い桿状または管状である。
核酸はらせん構造をもつ管状の蛋白キャプシドによって取り囲まれている。
このキャプシドは同一の構造単位structural unitがらせん対称helical symmetryに配列することによって成立している。
この型に属するウイルスは多くない。
タバコモザイクウイルス
一部のbacteriophage
c) エンベロープを被った正二十面体キャプシッド
Herpesviridaeがこの基本型をもつ。
正二十面体のカプシッドが比較的ルーズなリポ蛋白からなるエンベロープに包まれ,やや球状を示すvirionである。
エンベロープには糖蛋白からなる多数のスパイクが見られる
。
d) エンベロープを被ったらせん型キャプシッド
柔軟ならせん型のヌクレオカプシドがとぐろを巻いてエンベロープに包まれ全体として球状を示す。
この球状は多形性が強い。
Orthomyxoviridae
Paramyxoviridae
多くのウイルスがこのような形態を持つ。
e) 複雑な構造をもつキャプシッド
以上に述べた4つの基本型に合わないものがある。
ある種のbacteriophageの場合はヌクレオカプシドからなる頭部に複雑な尾部構造が付着している。
Poxviridaeは明瞭なキャプシドをもたず,核酸の周りをいくつかの外膜coatがとりまいて複雑な構造をしている。