遺伝子治療と動物実験と遺伝子改変動物

遺伝子治療とは

 遺伝子を組み込んだ細胞あるいはウイルスを患者に戻すことにより体内でその遺伝子が働き、病気にかかわる遺伝子の働きを抑えたり、補ったりして病気を治す治療法である。現在以下に示す遺伝子治療が実施、開発研究中であるが、これらの治療法は全て動物実験において安全性及び有効性が確認された後に試みられている。
遺伝子改変動物(Tg動物)とは

目的とする外来遺伝子を細胞に入れ個体にまで育てた動物をいい、以下のものが開発あるいは研究中である。
  • 筋ジストロフィーを始めとするヒトの各種疾患モデル動物の開発
  • ワクチン検定のためのポリオウイルス感受性マウス等の開発
  • ミルク中にヒトの治療薬を作るヤギの開発
  • ヒトへの臓器提供が可能なブタの開発
遺伝子治療の種類
   (かっこ内は組み込む遺伝子)  
  • 既に臨床応用されている遺伝子治療
    • ADA欠損症(ADA遺伝子)
    • 腎細胞がん(hGM-CSF)
    • 肺がん(p53遺伝子)
  • 臨床応用検討中の遺伝子治療
    • 進行食道がん(p53遺伝子)
    • 乳がん(MDR1)
    • 肝がん(p53遺伝子)
  • 現在開発中の遺伝子治療
    • 脳しゅよう(インターフェロン遺伝子)
    • 閉塞性動脈硬化(HGF遺伝子)
    • 前立腺がん(チミジンキナーゼ遺伝子)
  • 今後遺伝子治療法の開発が待たれる主な難病
    • 筋ジストロフィー等の遺伝病
    • パーキンソン病等の神経難病
    • 動脈硬化、糖尿病、高血圧等の成人病 ・各種の癌
    • エイズ等の免疫異常疾患
遺伝子改変動物の作出法

動物実験と福祉へ