動物の保護及び管理に関する法律改正案の比較

(太字は現行法の改正部分、下線は11月追加修正部分)

 現 行 法 


連絡会11月修正案


連絡会6月改正案


連絡会改正要点

(目的)

第一条

 この法律は、動物虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の保護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物よる人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。
(目的)

第一条

 (6月改正案に同じ)
(目的)

第一条

 この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の保護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人への侵害を防止することを目的とする。


(基本原則)

第二条

 何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
(基本原則)

第二条

 (6月改正案に同じ)
(基本原則)

第二条

 動物は、物ではなく人間と等しく心身の苦痛を感受する生命であるが故に、何人も、動物をみだりに殺し、精神的、肉体的に傷つけ、又は苦しめることのないようにしなければならない。

2 動物の飼養者は、他者に迷惑をかけない限り動物と平和こ暮らす権利を有するとともに、その習性を考慮して適正に飼養する責任と義務を負う。
(基本原則)

 本法の原則が生命尊重と動物虐待の防止にあることをより明確に表わすとともに、動物の飼養者の権利と責任、義務を明記した。
(動物愛護週間)

第三条

 ひろく国民の間に動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける。

2 動物愛護週間は、九月二十日から同月二十六日までとする。

3 国及び地方公共団体は、動物愛護週間には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるように努めなければならない。
(動物愛護週間及び啓発事業)

第三条

(現行法に同じ)

2 (現行法に同じ)

3 (現行法に同じ)

4 (6月改正案に同じ)

5 国及び地方公共団体は、学校教育及び医学研究等の分野で動物を取り扱う場合、生命尊重の理念に基づく倫理教育を行うよう努めなけれぱならない。
(動物愛護週間及び啓発事業)
第三条

(現行法に同じ)

2 (現行法に同じ)

3 (現行法に同じ)

4 国及び地方公共団体は、広く一般に動物の習性及び生体に関する理解を深め、動物の虐待を防止するための啓発事業を行うよう努めなければならない。
(動物愛護週間及び啓発事業)

 動物愛護、生命尊重の気風は、動物愛護週間のみならず、動物に関する相談や苦情を受ける行政の窓口においても日常的に涵養していくことが大切である。

また、動物に接する機会が少なくなっている子供たちの教育において動物への理解を深めることが必要である。

さらに、動物に多大の苦痛を与える動物実験の場において、生命に対する倫理教育はことのほか重大であることから、この項目を追加する。
(適正な飼養及び保管)

第四条

 動物の所有者又は占有者は、その動物を適正に飼養し、又は保管することにより、動物の健康及び安全を保持するように努めるとともに、動物が人の生命、身体若しくは財産に害を加え、又は人に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。

2 内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、動物の飼養及び保管に関しよるべき基準を定めることができる。
(適正な飼養及び保管、動物取扱業の許可制

第四条

(現行法に同じ)

2 (現行法に同じ)(

3 内閣総理大臣は、動物取扱業(ブリーダー、ペットショップ、乗馬クラブ、ペットホテル、動物プロダクション、動物輸出入業者、動物展示業者、実験用動物繁殖業者)を許可制とし、一年ごとの更新とする。以下は次条による。
(適正な飼養及び保管、動物取扱業の許可制

第四条

(現行法に同じ)

2 (現行法に同じ)

3 内閣総理大臣は、動物取扱業を許可制とし一年ごとの更新とする。以下は次条による。
(適正な飼養及び保管、動物取扱業の許可制

 現在、動物取り扱い業において、動物の習性や生態に関する無知に由来する虐待行為が数多く引き起こされている。

動物取り扱い業者が動物の習性や生態および衛生上の問題についての知識を有するプロとして認知されるために、許可制を導入する。

ちなみに、動物取扱業を届出制としている都道府県も多いが、届け出だけでは不十分である。
第五条

 地方公共団体は、動物の健康及び安全を保持するため、条例で定めるところにより、動物の飼養及び保管についての指導及び助言に関し必要な措置を講ずることができる。
(調査指導員等の役割)

第五条

 (現行法に同じ)

2 地方公共団体は動物取扱業に関し条例を定める。

3 国及び地方公共団体は、動物の適正な飼養及び動物虐待等を調査し適切な指導をする調査指導員を置く。調査指導員は、必要に応じて立ち入り調査等を行い、飼育及び施設の改善を指導勧告を行い、動物を保護することができる。

4 地方公共団体は、動物の適正な飼育及び保護に関し民間に一定の研修による動物福祉相談員制度を設けることができる。
第五条 

(現行法に同じ)

2 地方公共団体は条例を定め動物取扱業の動物の適正な飼養及び管理に関し査察官を置き、必要に応じて立ち入り調査を行い飼育法及び施設の改善を勧告することが出来る。

3 動物取扱業を営むものは所定の事項を地方公共団体に届け出なければならない。

4 地方公共団体は、動物の適正な飼養及び保管に関し、民間と協力し、動物保護福祉員制を設けることができる。
(行政の役割)

 動物虐待の現場の調査や飼育の改善勧告を行うために、調査指導制度を導入する。
調査指導員は当面現行の動物保護管理担当者が兼任することが考えられる。

(民間団体の役割)

 動物の習性や生態に関する知識や、適切な買い方、犬やねこの繁殖制限に関して、民間の動物保護団体と協力して、きめ細かな啓発活動を行うことができるようにする。
第六条

 地方公共団体は、動物による人の生命、身体又は財産に対する侵害を防止するため、条例で定めるところにより、動物の所有者又は占有者が動物の飼養又は保管に関し遵守すべき事項を定め、人の生命、身体又は財産に害を加えるおそれがある動物の飼養を制限する等動物の飼養及び保管に関し必要な措置を講ずることができる。
(飼養の制限及び飼育禁止の措置)

第六条

(現行法に同じ)

2 (6月改正案に同じ)
(飼養の制限及び飼育禁止の措置)

第六条

(現行法に同じ)

2 地方公共団体は、動物に対する虐待を防止し、動物の生命を保護するために、動物の所有者または占有者が動物をみだりに虐待しあるいは不適切な管理を行っていた場合、一定期間の飼育禁止の措置を講ずることができる。
(飼育の制限及び飼育禁止)

 動物による人の危害防止のみならず、人による動物への危害防止もあわせて行うためには、飼育の制限と飼育の禁止が有効である。
習性や生態も不明で未知の病原菌等による感染症の危険もある野生動物の飼育については原則的に禁止とし、野生由来の動物のペットの飼育は許可制とするべきである。
 また繰り返し動物を遺棄・虐待する者に対しては、飼育禁止の措置によって再発を防止する必要がある。
(犬及びねこの引取り)

第七条

 都道府県又は政令で定める市(以下「都道府県等」という。)は、犬またはねこの引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。
 この場合において、都道府県知事又は当該政令で定める市の長(以下「都道府県知事等」という。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。
2 前項の規定は、都道府県等が所有者の判明しない犬又はねこの引き取りをその拾得者その他の者から求められた場合に準用する。

3 都道府県知事は、市町村長(第1項の政令で定める市の長を除き、特別区の区長を含む。)に対し、第1項(前項において準用する場合を含む。以下第6項及び第7項においても同じ。)の規定による犬又はねこの引取りに関し、必要な協力を求めることができる。

4 都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする公益法人その他の者に犬及びねこの引き取りを委託することができる。

5 都道府県知事等は、第1項の引取りに関し、条例で定めるところにより、手数料を徴収することができる。

6 内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、第1項の規定により引取りを求められた場合の措置に関し必要な事項を定めることができる。

7 国は、都道府県等に対し、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、第1項の引取りに関し、費用の一部を補助することができる。
(犬及びねこの引取り)

第七条

 都道府県又は政令で定める市(以下都道府県等」という。)は、どうしても止むを得ず継続して飼養できなくなった犬またはねこ等の引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。
 この場合において、都道府県知事又は当該政令で定める市の長(以下「都道府県知事等」という。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。

2 (6月改正案に同じ)


3 (6月改正案に同じ)


4 (6月改正案に同じ)


5 (現行法に同じ)


6 (現行法に同じ)


7 (現行法に同じ)


8 (6月改正案に同じ)


9 (6月改正案に同じ)
(犬及びねこの引取り)

第七条

 都道府県又は政令で定める市(以下都道府県等」という。)は、止むを得ず継続して飼養できなくなった犬またはねこ等の引取りをその所有者から求められたときは、これを引き取らなければならない。
 この場合において、都道府県知事又は当該政令で定める市の長(以下「都道府県知事等」という。)は、その犬又はねこを引き取るべき場所を指定することができる。

2 前項の規定は、都道府県等が所有者り判明しない犬又はねこの引き取りをその拾得者その他の者から求められた場全に準用する。

3 都道府県知事は、市町村長(第1項の政令で定める市の長を除き、特別区の区長を含む。)に対し、第1項(前項において準用する場合を含む。以下第6項及び第7項においても同じ。)の規定による犬又はねこの引取りに関し、必要な協力を求めることができる。

4 都道府県知事等は、動物の愛護を目的とする公益法人その他の者に犬及びねこの引き取りを委託することができる。

5 (現行法に同じ)


6 (現行法に同じ)


7 (現行法に同じ)


8 都道府県等は、第1項の規定により引き取った犬及びねこ等について、可能な限り生存の機会を与えるために新たな飼養者を探すよう努めなければならない。

9 前項において実験用譲渡は禁止する。
(犬及びねこ等の引取り)

 近年、空前のペットブームにより、犬とねこに限らず実にさまざまな小動物が売買され家庭などで飼育されるようになってきた。
 その結果、それらの小動物が公園や山地などに捨てられ、野生化して生態系に影響を及ぼす場合も少なくない。
 行政は、犬及びねこその他の動物の遺棄の防止に努めるとともに、止むを得ない場合にはこれらの動物を引き取る必要がある。





















(新たな飼養者を探す努力)
 現在、行政が飼い主から引き取った犬またはねこ、及び狂犬病予防法によって捕獲した犬の大部分は、直ちに殺処分されており、一部は動物実験に払い下げられている。
 新たな飼養者の元にもらわれていく数はごくわずかである。
 行政は引き取った動物を即処分することなく、民間の動物保護団体と協力し、動物と親しむ教育や正しい飼い方の普及、生命尊重、動物愛護の啓発のために飼養するとともに、新たな飼養者を探すべく努めるものとする。
 実験への払い下げは動物愛護精神に反するものであり廃止されなけれぱならない。EUの条例はペットの実験使用を禁止している。
(負傷動物等の発見者の通報措置)

第八条

 道路、公園、広場その他の公共の場所において、疾病にかかり、若しくは負傷した犬、ねこ等の動物の死体を発見した者は、すみやかに、その所有者が判明しているときは所有者に、その所有者が判明しないときは都道府県知事等に通報するように努めなければならない。

2 都道府県等は、前項の規定による通報があったときは、その動物又はその動物の死体を収容しなければならない。

3 前条第6項の規定は、前項の規定により動物を収容する場合に準用する。
(負傷動物等の発見者の通報措置)

第八条

(現行法に同じ)
(負傷動物等の発見者の通報措置

)第八条

(現行法に同じ)

(負傷動物等の発見者の通報措置)


(犬及びねこの繁殖制限)

第九条

 犬又はねこの所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするように努めなければならない。
(犬及びねこの繁殖制限)

第九条

 犬又はねこの所有者は、これらの動物がみだりに繁殖してこれに適正な飼養を受ける機会を与えることが困難となるようなおそれがあると認める場合には、その繁殖を防止するため、生殖を不能にする手術その他の措置をするようにしなければならない。

2 地方公共団体は、犬及びねこ等が過剰繁殖により遺棄され又は処分されることのないように、その繁殖の制限について指導及び勧告することができる。
(犬及びねこの繁殖制限)

(現行法に同じ)

(過剰繁殖の防止)

 犬やねこの過剰繁殖と遺棄は、自治体の犬猫の処分業務の増大をもたらし、生命尊重・動物愛護の理念を損なうばかりか、業務従事者の心身の負担や公費使用の観点からも問題がある。
さらに、遺棄された種々のペットの野生化とその過剰繁殖が大きな社会問題となっている。飼い主の責任と義務の観点から過剰繁殖を防止する措置が急務である。
(動物を殺す場合の方法)

 動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。

2 内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、前項の方法に関し必要な事項を定めることができる。
(動物を殺す場合の方法)

第十条

 動物を殺さなければならない場合には、生命の尊厳に配慮しその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。
2 (現行法に同じ)

(動物を殺す場合の方法)

第十条

 動物を殺さなければならない場合には、生命の尊厳に配慮しできる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。

2 (現行法に同じ)

(動物を殺す場合の方法)

 どのような動物もその殺処分においては尊厳をもって取り扱わなければならないことを明記する。
(動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置)

第十一条

 動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供する場合には、その利用に必要な限度において、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によってしなければならない。

2 動物が科学上の利用に供された後において回復の見込みのない状態に陥っている場合には、その科学上の利用に供した者は、直ちに、できる限り苦痛を与えない方法によってその動物を処分しなければならない。

3 内閣総理大臣は、関係行政機関の長と協議して、第1項の方法及び前項の措置に関しよるべき基準を定めることができる。
(動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置)

第十一条

(現行法に同じ))

2 (現行法に同じ)

3 (現行法に同じ)

4 (6月改正案に同じ)

5 国及び都道府県は、動物実験施設及び研究内容に対する査察を行い、不適切な飼育管理の改善を求めること、及び妥当性を欠く実験に対しては中止を含めた改善処置を指示し、適切な改善がなされなかった場合には、その認定を取り消すことができる。

6 内閣総理大臣及び都道府県知事は、動物実験倫理委員会を設置しなければならない。
 動物実験倫理委員会は、その構成員の半数が動物実験に関わりがなく、かつ当該機関外の者であって、社会の各分野から選ばれた者でなければならない。

7 国及び都道府県は、前記各項の情報公開請求に対しては、これを公開しなければならない。

8 野生動物は動物実験に使用してはならない。

9 前記各項の施行に際しては細則を定める。

(動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置)

第十一条

  (現行法に同じ)

2 (現行法に同じ)

3 (現行法に同じ)

4 内閣総理大臣は、動物実験者及び実験施設の認定を行う。

5 国及び都道府県は、動物実験施設及び研究内容に対する査察を行い、不適切な飼育管理の改善を求めること、及び妥当性を欠く実験に対しては中止を含めた改善処置を指示することができる。

6 内閣総理大臣及び都道府県知事は、前項の改善勧告に対して適切な改善がなされなかった場合には、その認定を取り消すことができる。

7 内閣総理大臣及び都道府県知事は、動物実験倫理委員会を設置しなければならない。
動物実験倫理委員会は、その構成員の半数が動物実験に関わりがなく、かつ当該機関外の者であって、社会の各分野から選ばれた者でなければならない。

8 動物実験を行う者は、計画書を作成し、動物実験倫理委員会に提出しなければならない。

9 動物実験倫理委員会は、前記計画書を審査するとともに、一定期間毎の調査を行い、さらに実験終了後の報告を求めることが出来る。

1O 国及び都道府県は、本条4項の認定、及び5項の査察内容、6項の認定取り消し、7項の動物実験倫理委員会、8項の実験計画書、9項の経過調査及び事後報告に関する情報公開請求に対しては、これを公開しなければならない。

11 野生動物は動物実験に使用してはならない。
(動物を科学上の利用に供する場合の方法及び事後措置)


(実験者及び実験施設の認定と査察)

 日本は先進国の中で唯一、動物実験に対する法規制を何ら持たない国であり、使用される動物の種及び数、実験の内容、費用、成果等の実態はほとんど把握されていない。
認定によって、実態を把握する必要がある。 それとともに、倫理的、獣医学的等の観点から査察を行い、不適切な実験に対しては改善及び認定の取り消しを行うことができるようにしなければならない。
 欧米諸国では動物実験者及び施設に対する免許制、実験の事前審査制、実験倫理委員会の設置、動物福祉に関する規定等、諸法規制があり、日本の現状は憂うべき状態にある。


(実験委員会の設置)

 動物に苦痛を与え生命を犠牲にする動物実験に対しては社会的観点から検討する必要がある。
 そのために社会の各層からなる動物実験委員会を設置してこれを事前審査するとともに、経過や事後についても情報を得、研究費等についての意見を出すことができるものとする。
 すでに「生命を研究及び教育における動物使用」に関して、1996年に国際学術連合が声明を出し、1997年には目本学術会議も動物実験の規制に関する提案を行っている。
 日本の研究が世界のレベルに互していくためにも、法による規制が必要である。
 また、動物に苦痛を与える密室の中の動物実験に対し国民の大多数が配慮を求めている。
 動物実験に対する規制とともに、それらに関する情報は公開されなければならない。
(動物保護審議会)

第十二条

 総理府に、付属機関として、動物保謹審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、内閣総理大臣の諮間に応じ、動物の保護及び管理に関する重要事項を調査審議する。

3 内閣総理大臣は、第四条第2項若しくは前条第3項の基準の設定又は第七条第6項(第八条第3項において準用する場合を含む。)若しくは第十条第2項の定めをしようとするときは、審議会に諮間しなければならない。
 これらの基準又は定めを変更し、又は廃止しようとするときも、同様とする。

4 審議会は、動物の保護及び管理に関する重要事項について内閣総理大臣に意見を述べることができる。

5 審議会は、委員十五人以内で組織する。

6 委員は、学識経験のある者のうちから、内閣総理大臣が任命する。

ただし、その過半数は、動物に関する専門の学識経験を有する者のうちから任命しなければならない。

7 委員の任期は、二年とする。
 ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

8 委員は、非常勤とする。

9 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
(動物保護審議会)

第十二条

(現行法に同じ)

(動物保護審議会)

第十二条

(現行法に同じ)

  
(罰則)

第十三条

 保護動物を虐待し、又は遺棄した者は、三万円以下の罰金又は科料に処する。

2 前項において「保護動物」とは、次の各号に揚げる動物をいう。

一 牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる

二 前項に掲げるものを除くほか人が占有している動物で哺乳類又は鳥類に属するもの
(罰則、動物及び虐待の定義

第十三条

 (6月改正案に同じ)

2 6月改正案に同じ)

3 前項における虐待とは、

a、動物に故意に肉体的、精神的な苦痛を与えること、残酷な方法で殺害する等の行為

b、生存に必要不可欠な給餌給水等を怠り衰弱もしくは死に至らしめること、動物の習性や生態に反した飼育管理によって苦痛を与えること、

c、動物を闘わせまたは囮等に使用することによって傷害を与えること、

d、長時間もしくは過酷な輸送によって苦痛を与えること、

e、動物に有毒な薬物を与える行為
を言う。

4 6月改正案に同じ)
(罰則)

第十三条

 動物を虐待し、又は遺棄した者は、三十万円以下の罰金又三年以下の懲役刑に処する。

2 前項における動物とは人間以外のほ乳類、鳥類、爬虫類、両生類をいう。

3 前項における虐待とは、

a、動物に故意に肉体的、精神的な苦痛を与えること、残酷な方法で殺害すること、

b、生存に必要不可欠な給餌給水等を怠り衰弱もしくは死に至らしめること、動物の習性や生態に反した飼育管理によって苦痛を与えること、

c、動物を闘わせまたは囮等に使用することによって傷害を与えること、

d、長時間もしくは過酷な輸送によって苦痛を与えること、

e、動物に有毒な薬物を与える行為

4 前項における遺棄とは、人が占有していた動物を捨て去る行為、及び生存に必要不可欠な世話を怠り放置、もしくは傷病状態のまま放置することを言う。
(罰則の強化)

 本条の罰則は軽犯罪法を踏襲したもので軽微に過ぎる。
 動物虐待は犯罪の温床となる可能性があり、言語同断の残虐行為に対しては然るべき罰則の引き上げを行う必要がある。

(動物の定義)

 近年様々な小動物がペットとして売買され、不適切な飼育による動物虐待がまんえんしている。
 本条項の対象動物は、痛苦を感受する能力のある脊椎動物にまで適用を広げる必要がある。

(動物虐待の定義)

 現行法では、行政が動物虐待に対処できない状態にあるが、その理由の一つは何をもって虐待と見なすかの拠り所がないことにある。
動物虐待に対して警察や行政が適切に対処できるようにするためには、虐待の定義を行う必要がある。

(動物の遺棄)

 人が占有・所有する動物を捨て去る行為は、物の遺棄と異なり、動物の生命を直ちに飢餓や死に直面させることになる。
 また、犬と猫だけでも年間八十万頭もが行政の施設に収容され、ほとんど新たな飼い主を見つけることがなされずに、殺処分されている。
動物を終生飼育することを義務付けるとともに、遺棄に対しての罰則を強化する。