国動協の動管法改正の動きへの対応
松田幸久(秋田大学・医・動物実験施設)
1.国動協のプロフィール
国動協(国立大学動物実験施設協議会)は,会員校の施設長,専任教官,事務官及び技官など動物実験施設の運営に携わる職員によって構成された施設の実務について協議するための協議体である.現在,国立大学の医学部や医学系・理学系研究所にある53の動物施設が加盟している.
国動協の目的は国立大学における動物実験の精度と水準の向上を図り,もって医学・薬学・生物学等生命科学における教育及び研究の進展に寄与することである.その目的を達成するために,国動協内に幾つかの委員会が設置されているが,今回の動管法(動物保護法)改正に対応する委員会は動物実験福祉委員会(旧動物実験の在り方調査研究小委員会)である.
2.動管法改正の動きに対するこれまでの取り組み
2月下旬
自民党環境部会内にある「動物の愛護と管理に関する小委員会」が「動物の法律を考える連絡会」から動管法改正に関して意見聴取を行ったとの連絡を受け,動管法改正の動きのあることを察知した.
5月中旬
国動協の総会(徳島)前日に動物実験の在り方調査研究小委員会(小委員会)を開催し,動管法改正の動きに関する小委員会の取り組みを検討した.
その後のサテライトミーティングにおいて小委員会がこれまでに集めた動管法改正に関する情報を提供し,会員校間で話し合いをもった.
翌日に開催された総会において,動管法改正の動きに対する対応策を小委員会が担当することが正式に決まり,その作業にとりかかった.
7月下旬
「動物の法律を考える連絡会」が主催したシンポジュウム(「動物保護法を考える」)を聴取し,会員校にその内容を紹介した.
10月中旬
「動物の保護及び管理に関する法律改正に対する国立大学動物実験施設協議会の見解」をまとめた.
「動物の愛護と管理に関する小委員会」が最終的なヒアリングとして東京大学,東京医科歯科大学,千葉大学の3医学部長から「動物実験の意義と重要性」に関して意見聴取を行った後,自民党環境部会内(?)に動管法改正のためのプロジェクトチームを設置することが了解されたとの情報を得た.
3.今後の取り組み
動物実験の在り方調査研究小委員会を引き継いだ動物実験福祉委員会の委員には実験動物学の専門家である専任教官だけでなく,動物実験の主体者でもある施設長をも含めた.動管法改正への対応は動物実験福祉委員会において行われることとなるが,新委員会は10月に発足したばかりであるため,今後の対応については現在検討中である.本シンポジウムにおける討論も大いに参考とし,また,関連学会あるいは公私立動物実験施設協議会とも協調して対処していきたい.