Will I BE ALL RIGHT DOCTOR?のビデオ紹介
金井孝夫(東京女子医大 実験動物中央施設)
このビデオは、ベッドサイドの立場から「動物実験」について、その意義と重要性について解説されたものです。1984年の制作なので、今日供覧すると多少古めかしい印象を受けるところもありますが、実地臨床において動物を用いた実験研究の成果が、いかに重要で、どのように役立つかがわかりやすく説明されたビデオだと思われます。登場するスタッフと舞台は、時折伺える様子から米国ボストン市のマサチュウセッツ総合病院(MGH)と思われます。ご覧頂く時間は26分です。以下、順に概略をご説明します。
何人かの子供の患者が登場し、"Will I be all right Doctor ? "と主治医に訴えるところから始まります。解説者は循環器小児科医です。その医師はわれわれに「"Will I be all right Doctor ? "と何万回このことを聞いただろう」と語りかけ、先天性心疾患の患者マリアを紹介します。そして、先天異常の解析、また先天性心疾患の診断と治療について動物実験の必要性、重要性が説明されています。
人工弁を見ながら、その開発にあたっては幾多の動物実験を重ねた結果、完成されたという説明が続いています。臨床医学の向上のために、試験管、コンピュータなどが役立っていることと同様、枠組みは異なるが動物実験の大切さを話されています。
臓器移植を行っている医師が紹介されます。話題は、腎移植手術が開発され拒絶について免疫学的なさまざまな問題を動物実験を通じ研究されている紹介があります。
小児外科医が紹介されます。紹介された先生は、妻であり、母であり、医師であり、そして研究者として、その希望を語っています。それは癌研究であり、抗がん剤の話題として、動物の胎仔を用いた実験を紹介しています。またベッドサイドにも登場し、先天性心疾患、白血病などの患者にさまざまな説明をしています。
動物実験施設について説明が行われ、動物実験施設の設備等の大切さを伝えています。また獣医師により、動物実験のなかでとくに大切な2点が述べられています。まずは動物の健康管理、そして動物実験における動物のストレスについて語られています。また米国における動物実験の主要なガイドラインの話が若干ながら紹介されています。
- United State, Department of Agriculture(USDA)
- National Institute of Health, USA(NIH)
- American Association of Laboratory Animal Science(AALAS)
動物実験を通じ新しい手術手技の開発が行える利点を説明されています。ヒツジ、またマウス、イヌなどを扱った実験の説明があります。続いて動物実験が役立った例としてバイパス手術の説明が行われ、縫合方法、縫合糸、薬理学的な問題等が解説されています。
医師が患者に診断等の説明に関する話題です。大動脈弁狭窄症の手術後、循環器小児外科医が患者の家族へ手術結果の説明を行い、喜ばれている光景がご覧頂けます。
おわりに、医師である解説者から卒中、癌、先天異常など多数の研究課題があるなかで 動物実験からえられる成果をもとに臨床医学を推進していくことを、父として、夫とし て、医師として、人として励んでいきたいと結ばれております。
WILL I BE ALL RIGHT DOCTOR ? Gateway Production: Public Service Foundation for Biomedical Research 1984.. The foundation for acknowledge the patients and theirfamilies,the physicians, researcher & veterinarians who made this film possible.