慰霊のことば
平成19年度秋田大学実験動物慰霊式にあたり、利用者を代表して、尊い命を捧げて下さった実験動物に対して謹んで慰霊の言葉を述べさせて頂きます。 平成18年度における本学動物実験部門において実験に使用された動物は、マウス28,182匹、ラット4,998匹、ハムスター9匹、ウサギ445匹、モルモット90匹、イヌ25匹と 合計33,749匹を数えました。これら多くの実験動物の犠牲により、貴重な研究成果が得られ、58編の論文発表、182件の学会発表がなされました。また、18名の方が本学で学位 を取得しております。
近年の医学のめざましい進歩は、数多の実験動物の犠牲の上に成し遂げられたものであります。昨今では、複雑な生命現象を分子レベルで理解するために、
マウスを中心にした遺伝子改変動物の作製ならびにその解析が盛んにおこなわれ、その数は年々増加の傾向にあります。また、今後少なくとも20年は実験動物に依存することが
予想されております。一方で、動物愛護の立場から見れば、現代は動物と良い関係を保って共生していく社会を目指しており、そこに無用な支配関係があってはならないという
考えのもと、“医学の進歩には実験動物が不可欠である”という考え方は国際的にも厳しく見直される情勢にあります。 |
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