平成13年度秋田大学医学部実験動物慰霊式が9月19日(金)午後4時半から動物施設玄関脇にある実験動物慰霊碑前で行われた.飯島俊彦医学部長の挨拶に続いて利用者を代表して寺田邦彦助教授(生化学第一講座)から慰霊のことばをいただいた。
また、慰霊式に先立って講演会も行われた。
平成13年度秋田大学医学部実験動物慰霊式にあたり、利用者を代表し、犠牲となった多数の実験動物に対し、謹んで慰霊の言葉を述べさせて頂きます。
平成12年度に秋田大学医学部および医療短期大学において実験に供せられた動物は、マウス4,730、ラット4,756、モルモット313、ウサギ310、犬28、豚20、羊4、鶏15で、計10,176頭におよびました。これら多数の実験動物の犠牲により、貴重な研究成果が得られ、83の論文発表と224の学会発表が行われています。また、23名の方が動物実験により学位を取得しております。
病態の解明や治療法の開発など医学の進歩は、数多くの実験動物の犠牲によって為されてきたものであると言っても過言ではありません。また、今後の医学の発展にも実験動物は欠かせないものとなることは明らかであります。
しかし、近年、動物愛護運動の高まりと共に、動物実験に対する批判あるいは非難の声が寄せられています。我々研究者は、このような声を軽んずることなく真摯に受け止め、動物実験の必要性、妥当性についてもう一度深く考えなければなりません。今後は、遺伝子改変動物を利用した研究の広がりと共に、さらに多くの動物が犠牲になることも予想されます。
我々は動物実験に当たって、さらに充分な検討と厳密な審査をし、また、動物に対して尊厳を欠いた行為を行うことを厳に慎まなければならないことは言うまでもありません。
我々は、我々が行う実験をできる限り公開し、多くの動物の犠牲によって得られた研究成果を広く社会に還元できるよう努力しなければ、社会からの理解を得ることはできないでしょう。
常に真摯な態度で動物に接し、社会に大きく貢献できるような成果を挙げることのみが、これまでに犠牲となった動物たちに対しての一番の供養になるものと考えます。
最後にこの慰霊式にあたり、医学の進歩という名の下に犠牲となった多くの動物たちに対し、改めて謝意を表するとともに、安らかな眠りにつくことを願って慰霊のことばといたします。