昭和62年度慰霊祭


 昭和62年度実験動物慰霊祭が西法寺において行われた。65名の実験者および関係者の出席のもと、学部長挨拶に続き、吉村施設長より弔辞が述べられ、その後参加者全員により焼香が行われた。

弔  辞


 昭和62年度秋田大学医学部附属動物実験施設において医学研究のために生命をささげてくれた多数の動物君達に対し関係者を代表し、衷心より哀悼の意を表します。

 本年度、研究に供された動物君達は犬、豚、猫、兎等十三種類に達し、その数も極めて多数でありますが、これ等の動物君達のお陰で、秋田大学医学部からは数多くの医学上価値ある研究業績が世に出て行きました。これらの研究成果は広く基礎医学や臨床医学の発展に役立つばかりでなく、さらには実験動物学や獣医学領域の学問の発展にも寄与するものと確信いたします。このような研究業績ばかりでなく、医学部の学生諸君は、動物実験を通じて基礎医学を学び、大学院生は動物実験を通じて医学の様々の領域において研究の研鑽をつむことができました。

 動物実験にあたって、私達は、動物福祉の立場に立って、細心の注意を払って実験を行ってきたつもりでありますが、時には実験手技の稚拙なるが故に、不本意ながら動物君達に無用の苦痛を与えたことがあったかも知れません。その反省をもこめて、本年度からは動物実験手技の基礎に関する講習会を始めました。

 折りしも、本年はこれまで以上に動物福祉の精神の重視が叫ばれた年でもありました。つまり、それは、全国各大学におけるr動物実験の指針」の制定の動きであり、私達の施設でもできるだ、け早い機会にこの指針の制定を実現させたいと考えています。

 私達秋田大学医学部の一人一人は、今後も動物実験のあり方に常に思いを致し、世界の動向に反しない動物実験をやって行きたいと考えています。ここに改めて、動物君違に深い謝意を表しますと共に、君達が安らかな眠りにつくことを願って慰霊の辞と致します。



昭和62年10月2日  
附属動物実験施設   
施設長 吉 村 堅太郎
実験動物慰霊祭

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