お知らせ

2024年05月24日(金)

衛生学・公衆衛生学講座 大学院生 森川 梢さんが著書となる学術論文が国際誌『BMC Public Health』に掲載されました。

論文タイトル

Sociodemographic and environmental characteristics associated with thoughts of death and suicidal ideation in community-dwelling residents of a rural town in Japan: Analyses from a perspective of accompanying problems

著者名

Morikawa K, Nomura K, Onozawa D, Sasaki H, Morikawa Y

掲載誌

BMC Public Health

研究等概要

警察庁の統計によると、令和4年の自殺者数は21,881人で、OECD 諸国でも高い水準が続いている。これまで自殺予防は集団に焦点が当てられてきたが、個人へのアプローチも重要である。秋田県A町の20歳以上の住民1844名を対象に、過去1ヵ月間の自殺念慮に関する調査を行い、人間関係問題(HRP)、健康問題(HP)、経済問題(FP)の問題を伴うモデル、全体的なモデルにおいて検討したところ、それぞれの問題ごとにリスクファクターと予防的因子について特徴的な結果が得られた。

わが国では、自殺は主要な死因のひとつであり、残された人々に長期的な影響を及ぼす。コロナ禍で自殺者数の増加傾向が注目される中、メンタルヘルスの管理は最重要課題になりつつある。しかしながら自殺対策において個別への対策基準はなく、これまで集団へのアプローチが中心となって対策がされてきた。今回我々は、自殺念慮を持つ218名のうち、人間関係(n=104)、健康(n=112)、経済(n=72)に問題を抱えていることに着目し、それぞれの原因別に自殺念慮のリスクと予防因子について分析した。その結果、自殺念慮のリスクになる因子として、全体では「抑うつ傾向」、「女性」、「現在喫煙」、「周囲での自殺を見聞きしたことがある」、「家族に相談できるひとがいない」、人間関係に問題をもつ人においては「抑うつ傾向」、「家族に相談できるひとがいない」、健康問題を持つ人においては、「抑うつ傾向」、「周囲での自殺を見聞きしたことがある」、経済的に問題を持つ人においては「抑うつ傾向」、「周囲での自殺を見聞きしたことがある」「助けを求める人が誰もいない在」であった。一方予防因子は全部のモデルに共通で、「楽観主義」であり、人間関係に問題のある人では、70歳以上になると、むしろ、自殺念慮のリスクが低くなった。これらの結果から、自殺対策における、原因別アプローチの有用性が確認できた。

参考画像

衛生学・公衆衛生学講座 大学院生 森川 梢さんが著書となる学術論文が国際誌『BMC Public Health』に掲載されました。