ニュース202210/21金曜日

 

医学科の学生らと衛生学・公衆衛生学講座の野村恭子教授の学術論文が国際誌『Human Vaccines & Immunotherapeutics』に掲載されました。

論文タイトル

HPV vaccine intention among university students during suspension of active recommendation in Japan

著者名

Tomoya Suzuki, Yu Ota, Natsuya Sakata, Nozomi Fujita, Makoto Kamatsuka, Kengo Nagashima, Junko Hirayama, Naoko Fujita, Kuniko Shiga, Noriaki Oyama, Yukihiro Terada & Kyoko Nomura

掲載誌

Human Vaccines & Immunotherapeutics

研究等概要

日本では、2013年から2021年にかけて、ヒトパピローマウイルスワクチン(以下、HPVワクチン)の副反応の報告により、積極的な勧奨が見送られました。その結果、女性のワクチン接種率が低くなっており、世代によっては接種率が1%未満との報告があります。また、男性にも関係のあるHPVですが、男性の接種状況や基礎データに関しての先行研究は限定的です。
本研究では、男女を含めた学生のワクチン接種意向と、HPVワクチンに関連する知識、リテラシー、及びヘルスビリーフモデルとの関連を明らかにすることを目的としました。
2020年から2021年にかけて、秋田県内の4大学を対象に学生を募集し、ウェブベースの自記式質問票に回答してもらいました。本研究では未接種男女に限定し、基礎特性、知識、リテラシー及びヘルスビリーフモデルと、アウトカムであるワクチン接種意向との関連を調べるために、χ二乗検定、t検定及び多変量ロジスティック回帰分析を用いて男女別に統計解析を行いました。
合計318名の未接種男女(男性54%、平均年齢21歳)が自記式質問票に回答し、「直ちに」ワクチンを受けようと思うと回答したのは6%にとどまり、61%が「受けようと思わない」又は「わからない」と回答しました。HPVワクチンに関連する知識の正答率は、性別に関係なく低い結果となりました(男性41.4% vs. 女性39.6%)。
多変量ロジスティック回帰分析において、男子学生では、接種意向ありと有意な関連を示した因子は“HPVに罹患する可能性の自覚があること”、“ワクチン接種場所を知らないこと”、“リテラシーが高い”ことの3項目でしたが、“ワクチン接種の必要性を感じていない”は接種意向ありとは負の関係を示しました。女子学生では、接種意向ありと関連した因子は“知識レベルの高さ”でしたが、“副反応の心配”は接種意向ありとは負の関係を示しました。
HPVワクチン関連研究は、女性対象の先行研究が多く、男子学生を含めた大学生の接種意向の調査は日本では少ないのが現状です。今年から再開したHPVワクチンの積極的勧奨に伴い、本研究が男女におけるHPVワクチン接種率向上の一助にできたらと考えております。また、本論文は医学部医学科6年の鈴木智也が筆頭で執筆し、国際科学雑誌【Human Vaccines & Immunotherapeutics】に記載されております。(本研究は、科研費挑戦的研究(萌芽)情報通信技術を活用した子宮頸がん予防のヘルスリテラシー向上に関する研究(19K22737:代表 秋田大学野村恭子)にて行われました。)

参考URL

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/21645515.2022.2116900