医学系研究科長 挨拶

医学系研究科長 挨拶

 秋田大学大学院医学系研究科・医学部ホームページへようこそ。

尾野恭一研究科長

医学部長・医学研究科長(平成29年4月)

 秋田大学医学部は、昭和45年に我が国における戦後初の医学部として創設されました。県民の強い熱意が原動力となって、旧県立中央病院を国に移管して医学部附属病院とし、開設されたものです。一方、医学部保健学科は1978年に医学部附属看護学校として開設され、1990年に秋田大学医療技術短期大学(3年課程)として医学部に併設後、2002年に医学部保健学科(4年課程)へと発展的に改組されました。元をたどれば秋田県立高等看護学院と秋田県立保健婦学院から出発していますので、医学科も保健学科も共に県立の医療機関の流れを汲んでいることがわかります。
 そして2009年、秋田大学医学部は大学院大学に部局化され、名称を秋田大学大学院医学系研究科とし、医学専攻および保健学専攻からなる大学院として新しいスタートを切りました。これにより、より高い研究能力を備えた高度専門職医療人・医学研究者の育成を目指す大学院教育にも力を入れることとなりました。こうして、設立以来の医学系研究科及び医学部の卒業生は5000名を超え、医療界の様々な分野で指導者として活躍しています。

 歴史的に見ても、私たちは秋田県内唯一の医育機関かつ北東北における最先端の学術研究拠点としての役割を果たすことを、最大のミッションとして掲げています。それを達成していくための工夫と特徴をいくつかご紹介します。
 医学科の教育カリキュラムの特徴は、「秋田モデル」とも称する卒前〜卒後をシームレスに繋ぐ一環教育にあります。特に、臨床診療能力の習得向上には力を入れており、卒業時の試験において診療能力を評価するための実技試験(アドバンスOSCE)を、平成13年から導入しています。近年、臨床実習後のアドバンスOSCEを全国共通とする動きがありますが、秋田大学では10年以上も前から実施してきています。キャンパス内にはシミュレーション教育センターが設置されており、学生のみならず医療従事者へも解放して実技トレーニングを行えるようにしています。また、学生が地域の医療機関で実習をおこなうことができるように、秋田県医師会及び県内の医療機関より全面的なバックアップを頂いています。さらには、初年次からの英語による医療面接実習、学生用Webシステム、e-Learning等、新たな教育手法の開発や実践に積極的に取り組むことで、1年次から6年次までをモチベーション高く系統立てて繋ぐ統合型カリキュラムを構築しています。そして、卒業後は卒後臨床研修センターを中心に、初期臨床研修から後期研修、さらには専門医取得や学位取得までをスムーズに繋ぐ体制を整え、若手医師・研究者の育成を行っています。
 保健学科においても、地域の医療機関や市町村との積極的な連携により様々な実習や演習を行っています。また、理学療法学専攻や作業療法学専攻は、学生数の少なさを生かした少人数教育が中心なので、学生と教員との距離感がとても近いことが特徴です。
 医学科も保健学科も学生の短期海外派遣及び海外学生の受け入れには積極的です。医学科では毎年10名程が医学部国際交流基金からの支援を得て、海外の医学部または医学研究機関へ短期留学しています。保健学科では、王立ブータン大学健康科学院に毎年学生を派遣しています。

 医学系研究科では特色のある先端的研究が行われています。平成22〜27年度の第二期中期計画期間中には、「秋田県における主要な死亡原因である脳血管障害、がん・免疫に対する研究や人口あたりの死亡率が高い自殺予防に関する成果が上がり、社会へ発信した。」として、高い評価を受けました。全学の研究センターである生体情報研究センターは、脂質解析において世界トップの技術を有し、神経系・内分泌系・免疫系という互いに関連する生体の3大調節系に関わる研究成果を世界へ向けて発信しています。また、保健学専攻の教員を中心にリハビリテーションや看護など高齢化に伴う身体機能障害の回復に関しても取り組み、地域医療・健康・福祉に貢献しています。

 医学部附属病院は、県内唯一の特定機能病院として良質な高度医療の提供と優れた医療人の育成に力を入れています。敷地内には救命救急活動用のヘリポートが設置され、県内各地から重症患者を受け入れています。平成29年度にはエボラ出血熱などの第一種感染症にも対応できる病棟が完成し、中核病院としての体制がさらに充実してきました。

 秋田県は、秀麗無比なる鳥海山、狂瀾吠え立つ男鹿半島、十和田湖や田沢湖といった湖水など、秋田県民歌に「山水みなこれ詩の国秋田」と紹介されているとおり、日本海に面した自然豊かなところです。この地において、創立時の精神を受け継ぎ、教職員と学生が一丸となって、地域医療の最後の砦として地域住民の命を守り、最先端の医学・保健学研究を推進し、そして、これら臨床と研究の担い手となる医療人を育てて参ります。

平成29年4月  医学系研究科長 尾野恭一