医学研究の中で、実験動物とは全く無縁の分野など、およそ考えられないであろうが、動物実験施設が多くの人達に利用されているのは喜ばしいことである。施設の利用と実験動物について、日頃感じていることを2つばかり記してみたいと思う。まず、次元の低い話の方から始めよう。私自身が施設を利用して以前から感じていることを卒直に言えば、施設利用(特に実験室の)のマナーに欠けている人が少なくないということである。動物実験施設に限らず、共同利用施設は自分の次に利用する人のことを考え、少くとも自分達で利用した部分だけでも後片付けと清掃を充分にしておきたい。この至極簡単なことができていないのは誠に遺憾である。次は1つの提案である。最近は実験動物を用いる研究のあり方について、一般の人々の関心も高くなっているが、動物を利用する我々研究者の側でも、動物にできるだけ苦痛を与えない様留意する必要のあることは勿論、使用する動物数も最少限度にとどめ、その中で信頼性と再現性の高いデータを得る様に実験計画を立てなければならない。このためには、動物実験にあたって動物の選択、特に遺伝的背景や特徴の吟味が必須である。 |
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