当共同利用施設は昭和52年に発足し、その後57年に増築部分が供用されるようになったという。それ以前にも、わが医学部が発足して以来、小さなプレハブ建物で、各種の実験動物を用いた研究が行なわれていた。また、ラットやマウスなどの小動物は、研究室の一つを飼育室とし、それぞれがそれぞれのおもわくに従って管埋しながら、実験的研究を続けていた教室もあった。 | ![]() |
![]() | ちなみに、われわれ第一外科でラットを用いて行なった実験的研究の成果をしかるベき形で論文発表したものの中から、各期一編を抽出して、その中に記載されている対照群ラットの実験開始時に対する実験終了時の生存率をみると、施設発足前の実験では87%(13/15、実験開始後47週)、発足後、増築前では90%(27/30、32週)、増築後のSPF室では97%(34/35、42週)であった。死亡ラットの死因は、急性肺炎、肺膿瘍であった。施設の整備が大切であることをうかがい知ることができる。すなわち、現在の設備は、理想の最低限以上には整備され、充分な飼育管理がなされていることを示している。動物の飼育、管理の専門研究者としての松田博士の知識と熱意、施設長奥原教授の経営手腕によって、当施設の立派な運営、さらには多くの研究成果が当施設を利用した研究から生れたものと考える。 |