イ ヌ の あ れ こ れ

一過去・現在・未来一

神谷 晴夫   
弘前大学医学部寄生虫学教室
同附属動物実験施設   

 イヌとヒトの係わりは、発掘遺跡の資料から約1万年前頃迄、遡る事が出来る。イヌは最古の家畜の一つであり、その学名がCanis familiarisである事が端的にその間の事情を説明していよう。現在でも、イヌはヒトの生活のなかで、ペットとして、人々に大きな安らぎを与えてくれる。しかし、単なる愛玩動物としてだけではなく、狩猟犬、番犬、牧羊犬、そり犬、盲導犬さらには食用犬としてヒトはイヌに大きく依存している。更には、医学・生物学の進歩に実験動物として果たした役割は極めて大きい。文学・童話の中で、絵画で、詩、短歌、俳句の中で、時には音楽にあらゆる分野で、平和な時でも、戦争の時にもヒトはイヌと繋がって生きてきている。この様な、過寺・現在:未来におけるイヌとヒトの結びつきを、犬の川端歩き”をしながら考えてみたい。





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老人福祉施設慰問(ラブラドールリトリバー)

(写真は日本獣医師会資料より)