遺伝子改変マウス作製、系統保存、病原微生物クリーニング
バイオサイエンス教育研究センター動物実験部門は以下にお示しました支援活動を開始します。
- トランスジェニックマウス(Tg)の作製------Tgマウス作製依頼書(word形式)
- ノックアウト(KO)およびノックイン(KO-In)マウスの作製(ES細胞を用いたキメラマウスの作製)------キメラマウス作製依頼書(word形式)
- 系統維持(配偶子:受精卵及び精子の凍結と凍結融解および個体複製)------凍結保存依頼書(word形式)
- 体外受精・受精卵移植による病原微生物クリーニング ------微生物クリーニング依頼書(word形式)
- その他遺伝子改変動物に関するコンサルタント
- トランスジェニックマウスの作製
B6C3F1由来の受精卵(F2)にDNAをインジェクションして、トランスジェニックマウスを作製します。
受益者担金は、1コンストラクトあたり40万円(動物代12万円/1回、消耗品実費28万円)です。
生まれたマウスは、離乳直前に親マウスと一緒に引き取っていただきます。
特殊なバックグラウンド(例えば近交系B6 etc)でのラインの作製を希望する場合は、相談に応じます。
Injection用のDNAは、制限酵素で100μgを完全消化し、所定の申込用紙に必要事項を記載し、本研究室までご持参下さい。
DNAを受け取ってから、通常2ヶ月以内(妊娠3週+授乳期3週+DNA精製・調整1週間程度)で個体としてお渡し出来ます。
- ノックアウトマウスの作製
ICR由来の8細胞期〜桑実期の受精卵にES細胞をインジェクションするため、TT2あるいはこのシステムに対応するノックアウト
ES細胞のインジェクションをお引き受けします。受益者負担金は、1ノックアウト(あるいはノックイン)遺伝子あたり40万円で
200〜240個程度の受精卵にインジェクションします(4クローンだと約60個受精卵/クローン)。
インジェクションに用いる細胞は、こちらの指定した時間に指定された状態で用意していただきます。
得られた子供は離乳前(3週目)に仮親と一緒に速やかに引き取ってください。
その他、可能な場合には他のESラインについてもお引き受けする場合がありますので、ご相談下さい。
- 系統維持
受精卵・精子による凍結保存、凍結卵・精子の融解&個体復元を行います。
受益者負担金は、受精卵凍結保存は1ラインあたり3万円+別途使用動物代、精子の凍結保存は1ライン2万円です。
保存された系統の再生は融解・移植作業を1ラインあたり5万円+別途動物代で行う。
1年間の凍結細胞保管にかかる料金は年度末に実費を別途徴収いたします。体外受精・受精卵培養を行った2細胞胚を国際スタンダードの
Vitrification(超急速凍結法)で、凍結します。
- 体外受精・受精卵移植による病原微生物クリーニング
微生物的に本施設でクリーニング可能な場合(特殊な病原微生物には対応しません)は、体外受精・受精卵移植によってお引き受けいたします。
受益者負担金は、5万円+別途使用動物代を徴収します。
- Tg, KO作製時のDNAコンストラクションに関するご相談、その他動物実験に必要なご相談に応じます。
詳しい内容に関しては、バイオサイエンス教育研究センター動物実験部門 山田 秀一まで、お問い合わせ下さい。
連絡先:バイオサイエンス教育研究センター動物実験部門
電話 018-884-6253
E-Mail syamada@med.akita-u.ac.jp
特殊なサービスのご案内
- トランスジェニックマウスの作製・分与
pCX-EGFP Co-InjectionによるTgマウスの作製を行います。作製されたTgマウスは全身がEGFP発現によって、488nm励起(長波長handy
UV Lamp)下で全身がGreenの蛍光を示します。Co-Injectionしたもう一方の目的遺伝子は約80%がGFPとタンデムに1 siteにintegrateされています。
そのため、Genotyping無し、Real
timeで、ライン化された場合にはTg-Homo, Tg-Hemiとnon-Tg (wild type) を判別することが可能になります。
PCRやサザンの手間は一切不要です。貴重な時間と研究経費削減に強力なアイテムです。
もちろん、EGFPがFACSや免疫染色等で使いにくいのであれば、RFP(赤色蛍光),YFP(黄色蛍光)その他の使用も可能です。
Green Mouse(pCX-EGFP), Red Mouse(pCX-dsRed, pCX-dsRed2, pCX-mRed) 等、いくつかのTgマウスに関しては、ご相談後に分与可能です。
- ノックアウトマウスの作製
現在は、出来上がったESクローンをキメラマウスにするだけですが、今後ラボの態勢が整い次第KOベクターからESクローンを選択し、
キメラマウスまで作製するシステムの構築を行います。また、必要があれば、各種ES細胞およびマウス胎児由来のフィーダー(MEF)細胞を分与することも可能です。
ES細胞培養の経験がない場合には、実技指導についてもご相談に応じます。
- 病原微生物クリーニング&系統維持
クリーニングと系統保存は同時に行うことが可能です。
凍結保存細胞(受精卵&精子)を安全保管(危険分散)のために外部機関に一部を安全寄託することも可能です。
凍結保存細胞は動物を生体で維持するよりも安価で、遺伝的なコンタミや病原微生物感染など心配はありません。
外部施設から動物を移入、もしくは本施設から外部に移動する場合にも凍結受精卵や精子は輸送費が安価で、
動物に対するストレスもなく動物愛護の面からも強く推奨されております。