ヘリコバクターの発見(マーシャル、ウオーレン 1983年)
- 乳酸菌のところでも述べたが、胃の中はpHが1.0近いので細菌は殆ど死んでしまう。
- ところがそこで死なない菌がいた。
- 内視鏡検査で胃潰瘍の患者から粘膜を採取し電子顕微鏡で観察すると細長い鞭毛をもった細菌がいた。
- 微生物学研究室に送り培養しようとしたがうまくいかなかった。
- それは微生物研究室の慣例として培養開始後48時間で廃棄していた(雑菌が混入するため)。
- ある偶然から問題の細菌のシャーレが5日間放置されていた。
- そこで胃の酸性に弱い雑菌は繁殖せず、ヘリコバクター・ピロリだけが繁殖していた(培養に成功)。
- コッホの4原則、1)同じ症状を示す動物から同じ病原体が採取できること。2)純培養が可能なこと。
- 1)と2)はクリアーしたが、3)と4)の同じ病原体を感染させると同じ症状が出て、同じ病原体が採取できることは?。
- ブタに病原体を感染させたが症状が出ず、病原体も採取できなかった。
- それで自分でヘリコバクター・ピロリを飲んで3)と4)をクリアーした。