慰霊のことば
平成25年度秋田大学実験動物慰霊式に当たり、利用者を代表し、医学医療の発展ために尊い命を捧げていただいた多くの実験動物に対し、謹んで慰霊の言葉を述べさせていただきます。 平成24年度における本学動物実験部門において実験に使用された動物は、マウス62,281匹、ラット1,700匹、ウサギ132匹、モルモット153匹、ブタ2匹と合計64,628匹を数えました。 これらの実験動物により得られた成果は基礎医学、臨床医学、獣医学の分野の多岐にわたり、多くの論文や学会発表がなされました。また、9名の方が動物を用いた研究により本学で学位を取得しております。
近年のめざましい医療の進歩は私たちがより健康に生活できるよう多くの恩恵を与えて参りました。具体的には、様々な疾患における新たな治療法、診断法、新薬の開発などが挙げられますが、これらは数多くの実験動物の犠牲の上に成し遂げられてきたことは言うまでもありません。私たちは、医療の発展のために犠牲となった多くの実験動物に対して、常に哀悼と敬意の念を忘れることがあってはなりません。
マウスの行動解析を行いますと、彼らが優れた学習能力を持ち、合理的に行動する知性を持っていることが分かります。しかし時に不安や恐怖に囚われることもあれば、好奇心がそれにまさることもあるなど豊かな精神の働きを持つ存在であり、そのさまは観察者としての立場を越えて実に愛らしい存在であると感じます。
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